犬は人間に比べ格段に早く歳をとり、かわいいと思っていた子犬がアッというまに人間の年齢を追い越していってしまいます。
「私は10年~15年くらいしか生きられません。だから、ほんのわずかでも、あなたと離れていることが辛いのです」。これは愛犬家の間ではよく知られているインターネットで広まった「犬の十戒」(.1)のフレーズです。
実際に小・中型犬と大型犬では、成長や老化の速度に違いがあります。小・中型犬は、成犬になるまでの成長が早く、老化は7歳頃からゆるやかにやってきます。逆に大型犬は、成犬になるまでの成長はゆっくりですが、老化は早く、5~6歳頃から始まります。
かわいい愛犬と暮らしていく上での参考にして下さい。
犬の年齢 | 1か月 | 1歳 | 2歳 | 3歳 | 4歳 | 5歳 | 6歳 | 7歳 | 8歳 | 9歳 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
小・中型犬 | 1歳 | 17歳 | 24歳 | 28歳 | 32歳 | 36歳 | 40歳 | 44歳 | 48歳 | 52歳 |
大型犬 | 1歳 | 12歳 | 19歳 | 26歳 | 33歳 | 40歳 | 47歳 | 54歳 | 61歳 | 68歳 |
犬の年齢 | 10歳 | 11歳 | 12歳 | 13歳 | 14歳 | 15歳 | 16歳 | 17歳 | 18歳 | 19歳 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
小・中型犬 | 56歳 | 60歳 | 64歳 | 68歳 | 72歳 | 76歳 | 80歳 | 84歳 | 88歳 | 92歳 |
大型犬 | 75歳 | 82歳 | 89歳 | 96歳 | 103歳 | 110歳 | 117歳 | 124歳 | 131歳 | 138歳 |
最初の2年で24歳、その後は1年に4歳ずつ加算していきます。
24+(犬の年齢-2年)×4
最初の1年で12歳、その後は1年に7歳ずつ加算していきます。
12+(犬の年齢-1年)×7
注1
「犬の十戒」とは、インターネットで広まった作者不詳の短編詩(原文は英語)で、犬と人間との望ましい関係を犬が人間に語りかけるかたちで綴られています。
「犬の十戒」はインターネットで英文、日本語訳、どちらも検索・閲覧できますので、お時間があれば是非ご一読を!
余談ですが、「猫の十戒」という詩もあり、こちらは飼い主側が猫にお願いをするというユーモラスな内容になっています。
JKC(ジャパンケネルクラブ)に登録された犬種頭数をみると、1999年~2007年まで1位はダックスフンド。2008年になってプードルがNO.1になりました。2003年~2007年の5年間は1位ダックスフンド、2位チワワ、3位プードルの順位でしたが、2008年になって1位と3位が入れ替わり1位プードル、2位チワワ、3位ダックスフンド。なんと2011年現在まで不動の順位なのです。
とはいえやはりTOP3は圧倒的な人気で、4位以下を大きく引き離しています。BEST20をみても最近は小型犬ブームで、なかでも愛玩犬がやはり人気。最近では10位前後に柴犬やレトリーバー系が登場してきます。
犬は人類と一緒に共存してきた長い歴史の中で、作業分類によって改良を重ねられ、現在の犬種に至っています。それぞれの仕事の内容によって、ある程度適正や能力の差などは判断することができますが、性格などはあくまでも個体差が優先されます。
かわいい愛犬と暮らしていく上での参考にして下さい。
獲物に立ち向かい、戦い、倒す。勇敢で粘り強い性格。
柴犬、紀州犬、秋田犬、ボルゾイなど。
猟の補助をする。獲物を草むらや巣穴から追い出す、猟師の方に追い込む、撃ち落とした獲物を回収するなど。人や他の犬との協調性に優れる。
・サイトハウンド:優れた視覚と走力で獲物を追跡捕獲する。
・セントハウンド:優れた臭覚で獲物を追跡する。
・テリア系やダックスフンド:穴の中に住む小型獣猟の補助。
・レトリーバー系:獲物の回収など。
牛や羊をまとめたり、追ったり、家畜の群れを誘導・保護する。機敏な行動や瞬時の判断力があり、協調性もある。長時間の過酷な労働に耐える抜群の体力を持つ。特に羊を扱う犬を牧羊犬という。
牧場など人のいないところで家畜を護衛したり、番犬として家族を守る。子どもや弱い草食動物を守る優しい心と、敵を追い払う勇敢で強い意志がある。
グレート・ピレニーズ、ドーベルマンなど。
馬が入れないような狭く厳しい山岳地帯で荷物の運搬をしたり、ソリを引いていた犬。力強い体力と忍耐力を持つ。
セントバーナード、シベリアン・ハスキーなど。
伴侶や愛玩目的で作られた犬。愛くるしい体型や外見、仕草をした家庭犬。トイ・ドッグともいう。
水難救助犬(ニューファンドランド)、古代犬(原始的な犬/スピッツ系)、闘犬など。
愛犬の日常的な居場所をどこにするのか、愛犬の立ち入りを制限する空間をどう考えるかなど、愛犬との暮らし方によって愛犬の生活範囲は変わってきます。
大きく分けると3タイプになります(右図参照)。
①家中自由にさせ、制限をしない。
②家族の集まるリビング・LDに限定する。
③屋外中心で、室内は土間(テラス)までに制限する。
プランニングする際には、愛犬とどのように暮らしていきたいか、愛犬の行動を制限したい場所はどこか、十分に考えることが大切です。
住空間には犬にとって危険な場所、衛生上の理由から入らせないほうが望ましい場所がいくつかあります。ドアやゲートで入室を制限したり、段差などをあえて設けることで愛犬の行動をコントロールしたり、安全や衛生的な環境が保てる工夫をしましょう!
火傷の危険があり、刃物など危険な調理器具や食べてはいけない食品があるので要注意!
シャンプーなどの洗剤類は犬が口にすると危険。湯をためた浴槽に落ちる事故もあります。
転落の危険があります。また、階段の上り下りを繰り返すことで犬の足腰に負担が蓄積し、重大な疾患を招くこともあります。
転落の危険があるので、手すりの高さや形状、手すり子の間隔のなどを工夫しましょう。
和室に使われている建材はニオイが吸着しやすいものが多く、畳は傷つきやすく、ダニなどの微生物が繁殖しやすいので、極力入らせないようにしたいものです。
寝具はニオイを吸着しやすく、寝室は衛生上の観点からはできるだけ入らせないほうが望ましい場所。とはいえ、就寝時も愛犬と一緒にいたいと考える飼い主さんも多くいます。入室を制限するかどうかは飼い主さんの考え方次第です。
小・中型犬では10歳、大型犬では8歳から高齢犬とみなすのが平均的な考え方です。
最近は、獣医学の発達やワクチン接種の普及による感染症の減少、また、飼い主さんの意識の変化、飼育環境の整備などによって犬の寿命もどんどん延びてきています。一般的には、大型犬で10歳前後、小・中型犬で15年前後ですが、なかにはなんと!大型犬で15年、小・中型犬で20年以上も生きる犬もいるんです。
では、老化によって犬にはどのような変化があらわれるのでしょうか?
一般的には、活動性やトレーニング能力の低下、協調性の減退、短期の記憶喪失、性格や行動の変化、睡眠時間の増加など。また、白髪が増える、皮膚にイボやシミができる、あごや口のラインが下がる、筋肉や関節が弱くなる、内蔵機能の低下などの体の変化もみられます。
生活にもさまざまな支障があらわれ、体温調整がしにくくなる、段差の上り下りが辛くなる、小さな段差につまずく、段差から落ちる、モノにぶつかる、トイレを失敗するなど、細かく気を配ってあげる必要がでてきます。
食餌は、塩分が少なく、消化吸収の良い高タンパク質のものを。散歩に出かけ、できるだけ犬の集まるところに行ったり、途中でニオイをたくさん嗅がせたり、適度な刺激を与えてあげることも大切です。
住環境は、段差をできるだけ解消し、フローリングなど滑りやすい床は絨毯などを敷いて足腰にやさしい環境に。また、静かで安心して休め、孤立感のない、清潔な環境が保てる居場所をつくってあげたいものです。歳をとってから急に住環境を変えるのは犬にとって負担になるので、リフォームや配置替えは早めに考えましょう。
一般的に寿命が長いのは、大型犬より小型犬、屋外飼いよりも室内飼い、肥満している犬よりもやせている犬のほうだと考えられています。
屋外飼い< 室内飼い
肥満している犬< やせている犬
大切な家族の一員である犬が高齢期になっても快適に暮らせるように、安心できる居場所の確保、安全で清潔が保ちやすい住まいづくりを心がけましょう。
床や壁などは掃除がしやすくメンテナンスの楽なものを。床は滑りにくく硬くないものを選ぶことがポイントです。
室内環境の快適さを左右するもののひとつが、熱環境です。犬は人よりも暑さに弱い傾向があります。愛犬と一緒に暮らす住まいでは特に、夏場の熱環境に注意するようにしましょう!
人と犬とでは体温の調整方法が違い、犬は人のように全身で汗をかいて体温を下げるということができません。体温を下げる能力は、人に比べ犬のほうがはるかに劣るんです。
人と犬とでは、暑さ、寒さの感じ方も違います。一般的に、犬は人より寒さに強く、暑さに弱い傾向があります。つまり、人が「ちょっと暑い」と感じているとき、犬は「死ぬほど暑い」とあえいでいる可能性もあるので、夏場の熱環境には特に注意が必要なんです。
室内の熱環境は、屋外の気温や日射と、室内における人やその他の熱源からの発熱などに左右されます。また、建物の断熱性、気密性、風通し、デザイン、素材などによっても、室内の熱環境は大きく変わります。つまり、より良い熱環境を作り出すためには、それに適した建物(住まい)であることが求められます。
窓から直接差し込む日差しを遮ることは、涼しく暮らすためにも、冷房効率を上げるためにも重要なポイントになります。
日差しを効果的に遮る方法は、窓の方角によって違うということを知っていますか? 南面の窓は、太陽光が真上から当たるので、軒を深くするのが効果的。窓の上に庇(ひさし)やルーバー、オーニングなどを設けるのも効果があります。東面や西面の窓は、太陽光が斜めに当たり、強い日差しが部屋の奥まで入り込むので、すだれやカーテン、ブラインドなどを設置します。愛犬に直射日光が当たらない工夫や風通しを良くする工夫を心がけましょう!
最近の住宅用の窓サッシには、遮熱性能を重視した遮熱高断熱ペアガラスがセットされた商品や、リフォーム用に後付けできる内窓にも遮熱用があり、室温の上昇を抑えるのにはかなり効果的です。
また、愛犬のために昼間留守にする場合でもエアコンを付けたままにしているお宅は多いと思いますが、冷やし過ぎには要注意です。少々の暑さでも参ってしまうようになってしまいます。
電気代もつい心配になりますが、やはり太陽光発電システムをオススメしますね。
グリーンカーテンとは、つる性の植物を窓の外に這わせてカーテンやすだれの役割をさせるものです。遮光効果はもちろん、植物の葉が蒸散することでそのまわりの気温が下がり、涼風効果もあります。
また、ゴーヤ、ヘチマ、キュウリなど、実のなる植物を植えれば、収穫の楽しみも。夏の日差しに負けないつる性植物で、美しいグリーンカーテン作りに挑戦するのもオススメです。CO2削減にも役立つしエコですよね。
ただし、夏のつる性植物といえばアサガオですが、種子の部分に犬が中毒を起こす危険(幻覚作用や下痢など)があるので、注意して下さい。
上記の暑さ対策編で、一般的に犬は人より寒さに強く、暑さに弱い傾向があると申しました。
実際に春と秋の二回換毛期がある犬種は、本来は外で暮らしても寒さに対応できる体をしています。しかし、中には暑い地域原産で非常に体が小さいチワワや、毛の無い犬・メキシカンヘアレスなどと、短毛種のミニチュアピンシャーやグレイハウンドなどの犬種もあります。
過剰に温度管理された室内で飼われる事が多い現代の犬達は、冬は散歩に行きたがらなかったり、暖房器具の前で動かず、丸まって過ごしていたり…。
有名な童話にある「い~ぬは喜び庭駆け回り…」、それは今や昔のお話になりつつあり、こうして育っている犬は、室内と外との激しい気温の差に対応できません。人間と同様に、寒暖の大きな変化が体調を崩す原因になり、ガタガタ震えたり、中にはお腹を壊したり風邪を引いてしまう犬もいるんです。
上記の暑さ対策編と同様に室内の熱環境は、建物の断熱性、気密性、デザイン、素材などによっても、室内の熱環境は大きく変わりますし、暖房の設備状況によっても大きく変わります。
つまり、住む人に快適な断熱性能は愛犬にとっても快適な住環境となります。
愛犬の肌にとって冬の寒さと乾燥は大敵!寒くなってくると皮膚の脂分が減少し、血行も悪くなります。そのうえ、冬はただでさえ空気が乾燥しているのに、室内は暖房器具によってさらに乾燥した状態になり、皮膚の水分が失われてカサカサに。
また、空気が乾燥すると静電気でホコリや汚れが愛犬の体に付着しやすくなり、室内のハウスダストの量も多くなります。つまり、フケなど皮膚疾患の原因になるアレルゲンも増える傾向にあります。さらに、乾燥した室内ではウィルスも繁殖しやすく、風邪を引きやすくなり、呼吸器系の病気にかかりやすくなってしまいます。
冬の住まいは、時々暖房を消して換気をするようにしたいもの。エアコンやストーブなどの温風が愛犬の体に直接当たるのを避ける工夫をするのも大切です。
石油やガスなどは燃焼時に空気を汚します。その汚れた空気は部屋の低いところに滞留し、愛犬たちが大量に汚れた空気を吸い込んでしまうことに。場合によっては中毒症状を起こすこともありますので、常にこまめな換気を心がけましょう。
室内の過乾燥を防ぐためには、加湿器をプラスするのもよいでしょう。湿度をコントロールしてくれる調湿効果のある壁材などを住まいに採用するのも有効です。
床暖房は空気が汚れず、温風が吹かないので、皮膚が乾燥してフケにならないし、抜け毛やホコリを舞い上げるということもありません。また、近づきすぎて危ないということもないし、器具やコードが露出しないから部屋が広々使えるのも嬉しいところ。カラダもココロもほんわか温まり快適なんです。
床暖房は愛犬との暮らしにはもってこいの暖房といえそうですが、気をつけてあげなければならないこともあります。ワンちゃんが普段いる場所を床暖房にする場合は、全面ではなく、床暖房の入っていないところもつくり、体が熱くなったときに移動して、少し熱を冷ます場所をつくることをオススメします。寒くなったらまた暖かい床に移動してくればいいですからね。
子犬や老犬などの場合はに低温やけどを起こしてしまわないよう、飼い主さんが時々様子を見て移動させてあげることが必要です。
また、あまりにも快適な環境で暮らし続けていると、体温調節が下手になり、少しの温度変化にもついていけず、体調不良を起こしてしまうこともあります。また、換毛のタイミングが分らなくなり、季節に合わせての抜け変わりがうまくいかなくなることも。
寒くても、ちょうど良い時間を見つけて、一日に一回はワンちゃんと外に出て、外気を吸って気分転換。季節を味わって、冬を楽しみましょう!
寒いときの外出はなるべく服を着せたり、普段からあまり過保護に温度調節しないで生活させたりするなどの対処を。
そして自律神経やホルモンのバランスを整えたり、カルシウムの吸収を高めるためにも、冬こそ外に出て日光浴をさせましょう。
また、この時期は夏場と違ってついつい水分の摂取量が減ってきたりしがちです。普段からあまり水を飲まないコは特に要注意。水分不足は尿路結石症などの病気のリスクを高めます。
お水に臭いをつけたり、ご飯を与える時にドッグフードにお水を加えたり、水分の多い白菜やキャベツなどの野菜を一緒にあげるなどの工夫をして、飼い主さんが意識的に水分を取らせるようにしてあげて下さいね。
暮らしに潤いや安らぎを与えてくれる植物。でも、なかには犬が中毒を起こしてしまう植物も。
意外とポピュラーなものの中にも有毒なものがあります。室内の観葉植物や庭に植えられている植物、散歩の途中に出合う植物など、どんな植物が危険なのか、逆に愛犬と楽しむ庭に積極的に取り入れたい草花もあります。ぜひ、知っておきましょう!
室内によく置いてあるアイビー、丈夫で育てやすいので室内外で観賞用に重宝されていますが、実は葉や果実に毒性があり、誤って食べてしまうと、口が渇いたりヨダレが出たりという症状が出ます。皮膚への刺激も高いといわれますので注意が必要です。
その他にもポトス・カラジウム・セローム・アロエ・ホオズキなども中毒症状を起こすことがありますので、犬が口にしないような場所に移動しておいたほうが安全です。
また、冬にキレイでクリスマスらしい雰囲気を演出してくれるポインセチアも、犬が口にすると危険な植物のひとつ。有毒部分は、葉や茎。嘔吐・下痢・皮膚炎などの中毒症状を引き起こすことがあります。また、同じ時期に良く見かけるシクラメンも、犬には危険な植物。愛犬が口にすると、胃腸炎や痙攣、神経マヒの症状が現れることがあるので要注意です。
庭でよく見かける植物のなかにも危険なものがあります。魔除けの意味もあり庭木として広く親しまれ、漢方では鎮咳薬となるナンテン。実はその実を愛犬が食べると、神経マヒを起こす可能性があるんです。植える場所には注意が必要です。イチイも中枢神経に重大な影響をもたらし、震え・失調・呼吸困難・胃腸炎・心不全などを起こすこともあります。ジンチョウゲも強い芳香を放ち、人気の樹木ですが、愛犬にとっては花や葉が有毒となり、血便や、ヨダレ・嘔吐の症状が現れる場合もあります。
誰もがよく知っている花、チューリップ・スイセン・ユリ・スズラン・ヒアシンス・アジサイ・アサガオ・菊・ヒガンバナなども犬にとっては危険。名前をあげればきりがないほどです。
犬は本能で危険なものを回避すると思われがちですが、実は必ずしもそうとは限りません。不慮の事故を招かないためにも、飼い主さんが注意してあげたいものです。庭やベランダなども、犬が口にしやすそうな場所に危険な植物は置かないようにしましょう。
また、道端の草花は食べないように、拾い食いなどはしないように教えておくことも大切です。犬に危険な植物はかなり多くあります。
ただ、個体差もあり、有害となるレベルがはっきりしていないものも多いようです。有害な植物に分類されているもののなかにも、少量なら健康にいいものもあります。とはいえ、植物が引き起こす中毒症状のなかには死に至るような重大なケースもありますので、注意するにこしたことはありません。
植物は全てが危険なものばかりではありません。愛犬と楽しむ庭に積極的に取り入れたい草花としてはハーブ系がオススメです。
犬用シャンプーの材料にも使われるポピュラーで安全なハーブといえばカモミール。等を寄せつけない効果も期待できます。踏むと香りがほのかに広がりますので、愛犬が良く通る場所で日当たりの良いところにオススメです。
犬の生活臭防止にもなる香りのいいハーブとして、タイムやローズマリーがオススメです。日当たりの良い地面を覆って愛犬の通り道など、庭づくりのお好みで応じてお選び下さい。
その他にはペニーロイヤルミント(メグサハッカ)・クマザサ・エン麦などがあります。
ハーブのお話しのついでですが、ワンちゃんにもオススメなのが、アロマテラピーです。「よく嗅覚がすぐれた、ワンちゃんにアロマなんて大丈夫?」と心配する方がいらっしゃいます。
でも、ワンちゃんに適した使い方をすることで、私達人間と同じようにアロマテラピーの効果を期待することができるんです。精油から立ちのぼる芳香は、私達人間だけでなく、ニオイに敏感なワンちゃんにも効果的。
香りの持つ力で心を落ち着かせたり、元気が出たり、緊張を和らげてくれたりするのです。
まず、愛犬の好きな香りを見つけるところから始めましょう。いくつかの香りを用意して、愛犬の鼻先20cm位の所で香りを嗅がせてみて下さい。もし、その香りが好きなら、クンクン嗅いだりペロっとしたり、興味津々になります。逆に、その香りが嫌いなら、プイっと顔をそむけたり、くしゃみをしたりします。わかりやすいですね。
ただし、過度に強すぎる香りは、人にもワンちゃんにも逆効果です。いろいろな効能効果はありますが、まずはワンちゃんの好きな香りを探すこと。
いつでも、どこでも好きな香りがあるだけで、ワンちゃんも安心できます。
犬は人間に比べ格段に早く歳をとり、かわいいと思っていた子犬がアッというまに人間の年齢を追い越していってしまいます。
「私は10年~15年くらいしか生きられません。だから、ほんのわずかでも、あなたと離れていることが辛いのです」。これは愛犬家の間ではよく知られているインターネットで広まった「犬の十戒」(.1)のフレーズです。
実際に小・中型犬と大型犬では、成長や老化の速度に違いがあります。小・中型犬は、成犬になるまでの成長が早く、老化は7歳頃からゆるやかにやってきます。逆に大型犬は、成犬になるまでの成長はゆっくりですが、老化は早く、5~6歳頃から始まります。
かわいい愛犬と暮らしていく上での参考にして下さい。
犬の年齢 | 小・中型犬 | 大型犬 |
---|---|---|
1か月 | 1歳 | 1歳 |
1歳 | 17歳 | 12歳 |
2歳 | 24歳 | 19歳 |
3歳 | 28歳 | 26歳 |
4歳 | 32歳 | 33歳 |
5歳 | 36歳 | 40歳 |
6歳 | 40歳 | 47歳 |
7歳 | 44歳 | 54歳 |
8歳 | 48歳 | 61歳 |
9歳 | 52歳 | 68歳 |
10歳 | 56歳 | 75歳 |
11歳 | 60歳 | 82歳 |
12歳 | 64歳 | 89歳 |
13歳 | 68歳 | 96歳 |
14歳 | 72歳 | 103歳 |
15歳 | 76歳 | 110歳 |
16歳 | 80歳 | 117歳 |
17歳 | 84歳 | 124歳 |
18歳 | 88歳 | 131歳 |
19歳 | 92歳 | 138歳 |
最初の2年で24歳、その後は1年に4歳ずつ加算していきます。
24+(犬の年齢-2年)×4
最初の1年で12歳、その後は1年に7歳ずつ加算していきます。
12+(犬の年齢-1年)×7
注1
「犬の十戒」とは、インターネットで広まった作者不詳の短編詩(原文は英語)で、犬と人間との望ましい関係を犬が人間に語りかけるかたちで綴られています。
「犬の十戒」はインターネットで英文、日本語訳、どちらも検索・閲覧できますので、お時間があれば是非ご一読を!
余談ですが、「猫の十戒」という詩もあり、こちらは飼い主側が猫にお願いをするというユーモラスな内容になっています。
JKC(ジャパンケネルクラブ)に登録された犬種頭数をみると、1999年~2007年まで1位はダックスフンド。2008年になってプードルがNO.1になりました。2003年~2007年の5年間は1位ダックスフンド、2位チワワ、3位プードルの順位でしたが、2008年になって1位と3位が入れ替わり1位プードル、2位チワワ、3位ダックスフンド。なんと2011年現在まで不動の順位なのです。
とはいえやはりTOP3は圧倒的な人気で、4位以下を大きく引き離しています。BEST20をみても最近は小型犬ブームで、なかでも愛玩犬がやはり人気。最近では10位前後に柴犬やレトリーバー系が登場してきます。
犬は人類と一緒に共存してきた長い歴史の中で、作業分類によって改良を重ねられ、現在の犬種に至っています。それぞれの仕事の内容によって、ある程度適正や能力の差などは判断することができますが、性格などはあくまでも個体差が優先されます。
かわいい愛犬と暮らしていく上での参考にして下さい。
獲物に立ち向かい、戦い、倒す。勇敢で粘り強い性格。
柴犬、紀州犬、秋田犬、ボルゾイなど。
猟の補助をする。獲物を草むらや巣穴から追い出す、猟師の方に追い込む、撃ち落とした獲物を回収するなど。人や他の犬との協調性に優れる。
・サイトハウンド:優れた視覚と走力で獲物を追跡捕獲する。
・セントハウンド:優れた臭覚で獲物を追跡する。
・テリア系やダックスフンド:穴の中に住む小型獣猟の補助。
・レトリーバー系:獲物の回収など。
牛や羊をまとめたり、追ったり、家畜の群れを誘導・保護する。機敏な行動や瞬時の判断力があり、協調性もある。長時間の過酷な労働に耐える抜群の体力を持つ。特に羊を扱う犬を牧羊犬という。
牧場など人のいないところで家畜を護衛したり、番犬として家族を守る。子どもや弱い草食動物を守る優しい心と、敵を追い払う勇敢で強い意志がある。
グレート・ピレニーズ、ドーベルマンなど。
馬が入れないような狭く厳しい山岳地帯で荷物の運搬をしたり、ソリを引いていた犬。力強い体力と忍耐力を持つ。
セントバーナード、シベリアン・ハスキーなど。
伴侶や愛玩目的で作られた犬。愛くるしい体型や外見、仕草をした家庭犬。トイ・ドッグともいう。
水難救助犬(ニューファンドランド)、古代犬(原始的な犬/スピッツ系)、闘犬など。
愛犬の日常的な居場所をどこにするのか、愛犬の立ち入りを制限する空間をどう考えるかなど、愛犬との暮らし方によって愛犬の生活範囲は変わってきます。
大きく分けると3タイプになります(右図参照)。
①家中自由にさせ、制限をしない。
②家族の集まるリビング・LDに限定する。
③屋外中心で、室内は土間(テラス)までに制限する。
プランニングする際には、愛犬とどのように暮らしていきたいか、愛犬の行動を制限したい場所はどこか、十分に考えることが大切です。
住空間には犬にとって危険な場所、衛生上の理由から入らせないほうが望ましい場所がいくつかあります。ドアやゲートで入室を制限したり、段差などをあえて設けることで愛犬の行動をコントロールしたり、安全や衛生的な環境が保てる工夫をしましょう!
火傷の危険があり、刃物など危険な調理器具や食べてはいけない食品があるので要注意!
シャンプーなどの洗剤類は犬が口にすると危険。湯をためた浴槽に落ちる事故もあります。
転落の危険があります。また、階段の上り下りを繰り返すことで犬の足腰に負担が蓄積し、重大な疾患を招くこともあります。
転落の危険があるので、手すりの高さや形状、手すり子の間隔のなどを工夫しましょう。
和室に使われている建材はニオイが吸着しやすいものが多く、畳は傷つきやすく、ダニなどの微生物が繁殖しやすいので、極力入らせないようにしたいものです。
寝具はニオイを吸着しやすく、寝室は衛生上の観点からはできるだけ入らせないほうが望ましい場所。とはいえ、就寝時も愛犬と一緒にいたいと考える飼い主さんも多くいます。入室を制限するかどうかは飼い主さんの考え方次第です。
小・中型犬では10歳、大型犬では8歳から高齢犬とみなすのが平均的な考え方です。
最近は、獣医学の発達やワクチン接種の普及による感染症の減少、また、飼い主さんの意識の変化、飼育環境の整備などによって犬の寿命もどんどん延びてきています。一般的には、大型犬で10歳前後、小・中型犬で15年前後ですが、なかにはなんと!大型犬で15年、小・中型犬で20年以上も生きる犬もいるんです。
では、老化によって犬にはどのような変化があらわれるのでしょうか?
一般的には、活動性やトレーニング能力の低下、協調性の減退、短期の記憶喪失、性格や行動の変化、睡眠時間の増加など。また、白髪が増える、皮膚にイボやシミができる、あごや口のラインが下がる、筋肉や関節が弱くなる、内蔵機能の低下などの体の変化もみられます。
生活にもさまざまな支障があらわれ、体温調整がしにくくなる、段差の上り下りが辛くなる、小さな段差につまずく、段差から落ちる、モノにぶつかる、トイレを失敗するなど、細かく気を配ってあげる必要がでてきます。
食餌は、塩分が少なく、消化吸収の良い高タンパク質のものを。散歩に出かけ、できるだけ犬の集まるところに行ったり、途中でニオイをたくさん嗅がせたり、適度な刺激を与えてあげることも大切です。
住環境は、段差をできるだけ解消し、フローリングなど滑りやすい床は絨毯などを敷いて足腰にやさしい環境に。また、静かで安心して休め、孤立感のない、清潔な環境が保てる居場所をつくってあげたいものです。歳をとってから急に住環境を変えるのは犬にとって負担になるので、リフォームや配置替えは早めに考えましょう。
一般的に寿命が長いのは、大型犬より小型犬、屋外飼いよりも室内飼い、肥満している犬よりもやせている犬のほうだと考えられています。
屋外飼い< 室内飼い
肥満している犬< やせている犬
大切な家族の一員である犬が高齢期になっても快適に暮らせるように、安心できる居場所の確保、安全で清潔が保ちやすい住まいづくりを心がけましょう。
床や壁などは掃除がしやすくメンテナンスの楽なものを。床は滑りにくく硬くないものを選ぶことがポイントです。
室内環境の快適さを左右するもののひとつが、熱環境です。犬は人よりも暑さに弱い傾向があります。愛犬と一緒に暮らす住まいでは特に、夏場の熱環境に注意するようにしましょう!
人と犬とでは体温の調整方法が違い、犬は人のように全身で汗をかいて体温を下げるということができません。体温を下げる能力は、人に比べ犬のほうがはるかに劣るんです。
人と犬とでは、暑さ、寒さの感じ方も違います。一般的に、犬は人より寒さに強く、暑さに弱い傾向があります。つまり、人が「ちょっと暑い」と感じているとき、犬は「死ぬほど暑い」とあえいでいる可能性もあるので、夏場の熱環境には特に注意が必要なんです。
室内の熱環境は、屋外の気温や日射と、室内における人やその他の熱源からの発熱などに左右されます。また、建物の断熱性、気密性、風通し、デザイン、素材などによっても、室内の熱環境は大きく変わります。つまり、より良い熱環境を作り出すためには、それに適した建物(住まい)であることが求められます。
窓から直接差し込む日差しを遮ることは、涼しく暮らすためにも、冷房効率を上げるためにも重要なポイントになります。
日差しを効果的に遮る方法は、窓の方角によって違うということを知っていますか? 南面の窓は、太陽光が真上から当たるので、軒を深くするのが効果的。窓の上に庇(ひさし)やルーバー、オーニングなどを設けるのも効果があります。東面や西面の窓は、太陽光が斜めに当たり、強い日差しが部屋の奥まで入り込むので、すだれやカーテン、ブラインドなどを設置します。愛犬に直射日光が当たらない工夫や風通しを良くする工夫を心がけましょう!
最近の住宅用の窓サッシには、遮熱性能を重視した遮熱高断熱ペアガラスがセットされた商品や、リフォーム用に後付けできる内窓にも遮熱用があり、室温の上昇を抑えるのにはかなり効果的です。
また、愛犬のために昼間留守にする場合でもエアコンを付けたままにしているお宅は多いと思いますが、冷やし過ぎには要注意です。少々の暑さでも参ってしまうようになってしまいます。
電気代もつい心配になりますが、やはり太陽光発電システムをオススメしますね。
グリーンカーテンとは、つる性の植物を窓の外に這わせてカーテンやすだれの役割をさせるものです。遮光効果はもちろん、植物の葉が蒸散することでそのまわりの気温が下がり、涼風効果もあります。
また、ゴーヤ、ヘチマ、キュウリなど、実のなる植物を植えれば、収穫の楽しみも。夏の日差しに負けないつる性植物で、美しいグリーンカーテン作りに挑戦するのもオススメです。CO2削減にも役立つしエコですよね。
ただし、夏のつる性植物といえばアサガオですが、種子の部分に犬が中毒を起こす危険(幻覚作用や下痢など)があるので、注意して下さい。
上記の暑さ対策編で、一般的に犬は人より寒さに強く、暑さに弱い傾向があると申しました。
実際に春と秋の二回換毛期がある犬種は、本来は外で暮らしても寒さに対応できる体をしています。しかし、中には暑い地域原産で非常に体が小さいチワワや、毛の無い犬・メキシカンヘアレスなどと、短毛種のミニチュアピンシャーやグレイハウンドなどの犬種もあります。
過剰に温度管理された室内で飼われる事が多い現代の犬達は、冬は散歩に行きたがらなかったり、暖房器具の前で動かず、丸まって過ごしていたり…。
有名な童話にある「い~ぬは喜び庭駆け回り…」、それは今や昔のお話になりつつあり、こうして育っている犬は、室内と外との激しい気温の差に対応できません。人間と同様に、寒暖の大きな変化が体調を崩す原因になり、ガタガタ震えたり、中にはお腹を壊したり風邪を引いてしまう犬もいるんです。
上記の暑さ対策編と同様に室内の熱環境は、建物の断熱性、気密性、デザイン、素材などによっても、室内の熱環境は大きく変わりますし、暖房の設備状況によっても大きく変わります。
つまり、住む人に快適な断熱性能は愛犬にとっても快適な住環境となります。
愛犬の肌にとって冬の寒さと乾燥は大敵!寒くなってくると皮膚の脂分が減少し、血行も悪くなります。そのうえ、冬はただでさえ空気が乾燥しているのに、室内は暖房器具によってさらに乾燥した状態になり、皮膚の水分が失われてカサカサに。
また、空気が乾燥すると静電気でホコリや汚れが愛犬の体に付着しやすくなり、室内のハウスダストの量も多くなります。つまり、フケなど皮膚疾患の原因になるアレルゲンも増える傾向にあります。さらに、乾燥した室内ではウィルスも繁殖しやすく、風邪を引きやすくなり、呼吸器系の病気にかかりやすくなってしまいます。
冬の住まいは、時々暖房を消して換気をするようにしたいもの。エアコンやストーブなどの温風が愛犬の体に直接当たるのを避ける工夫をするのも大切です。
石油やガスなどは燃焼時に空気を汚します。その汚れた空気は部屋の低いところに滞留し、愛犬たちが大量に汚れた空気を吸い込んでしまうことに。場合によっては中毒症状を起こすこともありますので、常にこまめな換気を心がけましょう。
室内の過乾燥を防ぐためには、加湿器をプラスするのもよいでしょう。湿度をコントロールしてくれる調湿効果のある壁材などを住まいに採用するのも有効です。
床暖房は空気が汚れず、温風が吹かないので、皮膚が乾燥してフケにならないし、抜け毛やホコリを舞い上げるということもありません。また、近づきすぎて危ないということもないし、器具やコードが露出しないから部屋が広々使えるのも嬉しいところ。カラダもココロもほんわか温まり快適なんです。
床暖房は愛犬との暮らしにはもってこいの暖房といえそうですが、気をつけてあげなければならないこともあります。ワンちゃんが普段いる場所を床暖房にする場合は、全面ではなく、床暖房の入っていないところもつくり、体が熱くなったときに移動して、少し熱を冷ます場所をつくることをオススメします。寒くなったらまた暖かい床に移動してくればいいですからね。
子犬や老犬などの場合はに低温やけどを起こしてしまわないよう、飼い主さんが時々様子を見て移動させてあげることが必要です。
また、あまりにも快適な環境で暮らし続けていると、体温調節が下手になり、少しの温度変化にもついていけず、体調不良を起こしてしまうこともあります。また、換毛のタイミングが分らなくなり、季節に合わせての抜け変わりがうまくいかなくなることも。
寒くても、ちょうど良い時間を見つけて、一日に一回はワンちゃんと外に出て、外気を吸って気分転換。季節を味わって、冬を楽しみましょう!
寒いときの外出はなるべく服を着せたり、普段からあまり過保護に温度調節しないで生活させたりするなどの対処を。
そして自律神経やホルモンのバランスを整えたり、カルシウムの吸収を高めるためにも、冬こそ外に出て日光浴をさせましょう。
また、この時期は夏場と違ってついつい水分の摂取量が減ってきたりしがちです。普段からあまり水を飲まないコは特に要注意。水分不足は尿路結石症などの病気のリスクを高めます。
お水に臭いをつけたり、ご飯を与える時にドッグフードにお水を加えたり、水分の多い白菜やキャベツなどの野菜を一緒にあげるなどの工夫をして、飼い主さんが意識的に水分を取らせるようにしてあげて下さいね。
暮らしに潤いや安らぎを与えてくれる植物。でも、なかには犬が中毒を起こしてしまう植物も。
意外とポピュラーなものの中にも有毒なものがあります。室内の観葉植物や庭に植えられている植物、散歩の途中に出合う植物など、どんな植物が危険なのか、逆に愛犬と楽しむ庭に積極的に取り入れたい草花もあります。ぜひ、知っておきましょう!
室内によく置いてあるアイビー、丈夫で育てやすいので室内外で観賞用に重宝されていますが、実は葉や果実に毒性があり、誤って食べてしまうと、口が渇いたりヨダレが出たりという症状が出ます。皮膚への刺激も高いといわれますので注意が必要です。
その他にもポトス・カラジウム・セローム・アロエ・ホオズキなども中毒症状を起こすことがありますので、犬が口にしないような場所に移動しておいたほうが安全です。
また、冬にキレイでクリスマスらしい雰囲気を演出してくれるポインセチアも、犬が口にすると危険な植物のひとつ。有毒部分は、葉や茎。嘔吐・下痢・皮膚炎などの中毒症状を引き起こすことがあります。また、同じ時期に良く見かけるシクラメンも、犬には危険な植物。愛犬が口にすると、胃腸炎や痙攣、神経マヒの症状が現れることがあるので要注意です。
庭でよく見かける植物のなかにも危険なものがあります。魔除けの意味もあり庭木として広く親しまれ、漢方では鎮咳薬となるナンテン。実はその実を愛犬が食べると、神経マヒを起こす可能性があるんです。植える場所には注意が必要です。イチイも中枢神経に重大な影響をもたらし、震え・失調・呼吸困難・胃腸炎・心不全などを起こすこともあります。ジンチョウゲも強い芳香を放ち、人気の樹木ですが、愛犬にとっては花や葉が有毒となり、血便や、ヨダレ・嘔吐の症状が現れる場合もあります。
誰もがよく知っている花、チューリップ・スイセン・ユリ・スズラン・ヒアシンス・アジサイ・アサガオ・菊・ヒガンバナなども犬にとっては危険。名前をあげればきりがないほどです。
犬は本能で危険なものを回避すると思われがちですが、実は必ずしもそうとは限りません。不慮の事故を招かないためにも、飼い主さんが注意してあげたいものです。庭やベランダなども、犬が口にしやすそうな場所に危険な植物は置かないようにしましょう。
また、道端の草花は食べないように、拾い食いなどはしないように教えておくことも大切です。犬に危険な植物はかなり多くあります。
ただ、個体差もあり、有害となるレベルがはっきりしていないものも多いようです。有害な植物に分類されているもののなかにも、少量なら健康にいいものもあります。とはいえ、植物が引き起こす中毒症状のなかには死に至るような重大なケースもありますので、注意するにこしたことはありません。
植物は全てが危険なものばかりではありません。愛犬と楽しむ庭に積極的に取り入れたい草花としてはハーブ系がオススメです。
犬用シャンプーの材料にも使われるポピュラーで安全なハーブといえばカモミール。等を寄せつけない効果も期待できます。踏むと香りがほのかに広がりますので、愛犬が良く通る場所で日当たりの良いところにオススメです。
犬の生活臭防止にもなる香りのいいハーブとして、タイムやローズマリーがオススメです。日当たりの良い地面を覆って愛犬の通り道など、庭づくりのお好みで応じてお選び下さい。
その他にはペニーロイヤルミント(メグサハッカ)・クマザサ・エン麦などがあります。
ハーブのお話しのついでですが、ワンちゃんにもオススメなのが、アロマテラピーです。「よく嗅覚がすぐれた、ワンちゃんにアロマなんて大丈夫?」と心配する方がいらっしゃいます。
でも、ワンちゃんに適した使い方をすることで、私達人間と同じようにアロマテラピーの効果を期待することができるんです。精油から立ちのぼる芳香は、私達人間だけでなく、ニオイに敏感なワンちゃんにも効果的。
香りの持つ力で心を落ち着かせたり、元気が出たり、緊張を和らげてくれたりするのです。
まず、愛犬の好きな香りを見つけるところから始めましょう。いくつかの香りを用意して、愛犬の鼻先20cm位の所で香りを嗅がせてみて下さい。もし、その香りが好きなら、クンクン嗅いだりペロっとしたり、興味津々になります。逆に、その香りが嫌いなら、プイっと顔をそむけたり、くしゃみをしたりします。わかりやすいですね。
ただし、過度に強すぎる香りは、人にもワンちゃんにも逆効果です。いろいろな効能効果はありますが、まずはワンちゃんの好きな香りを探すこと。
いつでも、どこでも好きな香りがあるだけで、ワンちゃんも安心できます。